ニュージーランドへ発つために空港へいったら、ダンスをやっていました。


ドラムとコーラスの伴奏。


ゆるやかで優雅に踊る、伝統的な腰ミノをつけた娘さん。


上半身はとみると残念、ブラジャーをつけていました。


細やかな手の動きはばつぐん。


ここのダンスは南太平洋一との評判もあります。


ロビーはいっぱいの人。


総理のオーストラリア訪問の歓送会にぶつかったのだ.するとダンスもそのためのものであったか。


プロトンガに着くと、一介の旅行者であるわたしのもとに新聞記者がやってきました。


以前、タヒチでもフランス語の新聞に"日本のマルコ・ポーロ"と紹介されました。


ラロトンガでは一面トップで扱われ、ラジオでは30分も英語でしゃべらされました。


諸君もマスコミに大きくのりたいと思ったら、こうした未知の島をおとずれるにかぎります。


「クック諸島はわたしにとって、ちょうど150番目にあたる国なのてす」というと、総理はカバンのなかから名刺をとりだした。


「50とは区切りのいい数字ですね。記念にサインをさしあげましょう。これから世界全部の国へいってください」


親切にメッセージまで書き添えてくれる。


よく名刺をみると、国家の紋章入り。


グリーンの地に金色に輝く星がまるく輪になったデザイン。


エリザベス女王から"サーの称号"をもらったものにちがいないそれにしても、この国はなんと庶民的なことでしょう。


総理の車にのせてもらったヒッチハイカーなど、世界でもわたしがはじめてでしょう。


これがもしほかの国だったら、セキュリティ・ガードが十重、二十重にとりまき、警備が厳重でとても車に近づくことさえできまい。


山越えは原始の熟帯ジャングルをはいまわって約五時間かかります。


公共の交通機関といえば、バスが三時間に一本あるだけ。


いくらのんびりした南国でもこれではたまらない。


もっぱらヒッチハイクに頼るしかない。


例によって親指一本だけ立てて、ヒッチハイクのサインをだしていると、最初に通りかかった車が先のベンツというわけだ。


気さくそうな総理はみずから、「遠慮しないでおのりなさい」と声をかけてくれました。感激してゆったりとしたシートにおさまると、ベンツは音もなくスタート。


「あなたは新聞に出ていた日本人ではないですか?」総理はわたしのことを新聞で読んで知っていました。


いつかい平和な南太平洋ではニュースの種にこと欠くらしい。


そのときベンツの最高級車がピタリととまった、後部座席にはVIPらしき人物が二人、そりかえっています。


高官らしき一方の男がおごそかにいった。


「この方は総理大臣のアルバート・ヘンリーですよ」わたしは思わずゴクッと生つばをのみこんだ。


1978年5月、わたしは南太平洋のクック諸島にいた.クック諸島といっても日本ではあまりなじみはない。


南太平洋のタヒチとニュージーランドを結ぶ線上に位置し、全部で15の島からなっています。


1773年、キャプテン・クックによって発見されました。


現在はニュージーランド領だが、自治権が認められており独立も間近い。


主島プロトンガの一周道路は海沿いにグルリとまわって32キロ。


中央部はけわしい山岳地帯になっています。


寮母長は、「さあ、難しいことはわからないけど、1週間でおさまってよかったですよ。

これ以上続いたらどうしようかと思った。

職員から不平は出るしね。

でも、特養から追い出すわけにはいかないですよね?

ここだって地域から追い出されてきたようなもんだからね。

なんとか落ちついてほしいのよね。

これやらないで、ずっとNさんに振りまわされてたら、もっと労力使うことになったと思うのね。

『それに比べりゃ、1週間くらい大したことないでしょ?』って、他の寮母には言ってるんだけどね。

さあ、1人の老人にこうやってマンツーマンで付くのは、いまのところ2週間が限度かな。

職員の数の多いところがうらやましいわね」

さあ、多くなった職員を、こんなふうに老人のために使えるという保障はあるでしょうか。

本当のニードがわからないにせよ、訴えに対して何らかの反応を示すことそのものが、赤ん坊のニードに対応しているといえるのです。

つまり、ピント外れであっても、泣いて訴えれば対応してくれるということが、世界に対する信頼感をつくり出しているのです。

Nさんへのマンツーマンでの対応、積極的なスキンシップ......寮母さんたちのやったことは「基本的信頼感」をつくり出すことだったのです。

特に、「添い寝」は有効だったらしいという。

そういえぼ、岡山県倉敷市の柴田病院の痴呆性老人は、「風船の間」と呼ばれる40畳の広い和室で集団生活をし、団子になって寝ているという。

ベッドより落ちつくのだそうだ。

「よく1週間もマンツーマンでやりましたねえ。それが、一番基本的な人間関係を回復したんでしょうね」と私。

"異食"が、世界と自己への根本的な不信に起因していること、そしてその原因は、80年も前の母子関係ではなくて(そうであったとしても)、現在の具体的な関係の中にあるのだということ、そして私たちのアプローチは、それを精神分析のように意識化し、言語化するのではなくて、意識も無意識も、言語も非言語も全部含めて、関係を変えていくのだ、というふうに言うことができる。

とすれば、このNさんの老人ホームの職員の方法論は、じつに的を射ています。

「口唇期」にまで「退行」したかに見えるNさんのニードは、生後間もない赤ん坊のニードと同じだと考えてみればよい。

泣く赤ん坊に向かって、説得する人がいるでしょうか。

怒る人がいるでしょうか。

ましてや、「うるさいから」といって鎮静剤で眠らせたり、手足を縛る人がいるでしょうか。

泣いていれば、まず抱きあげてあやし、どうして泣いているのか?と想像力を働かせるだろう。

オッパイがほしいのか?と乳首を近づけてみる。

それでも泣きやまなければ、オムツが濡れているのか?と調べてみる。

熱がないか?と頭に手をやってみる......。

私たちが気をつけねばならぬことがある。

それは、問題を「関係」にのみ還元してしまうことです。

これは危険です。

「個体」への還元は近代主義に陥り、「社会」への還元は政治主義になってしまう。

それに対して「関係」への還元は倫理主義を生み出すからだ。

「まこころをもって接すれば、どんな老人にも伝わる」とか、「呆けたのは家族の関わり方に愛情がないからだ」といった言い方が、その倫理主義です。

私たちは、「関係」を変えていこうとする。

だが私たちのとりうる関係は、"関係の磁場"とでも言うべき状況に規定されざるをえないことを知っています。

"関係の磁場"とは、例えば施設の雰囲気、時代や社会など、文化や政治の領域とされるものです。

さらに、人間は「個体」としてしか存在しえず、個体として完結していく世界が厳として存在していることも知っています。

しかし、この「関係」からのアプローチこそ、現場の私たちだからこそできるものであり、近代医療や政治主義の限界をこえていくものなのです。

人によつて場合によつて、距離感にも違いがあります。


合宿免許のときにこれに改めて気がつきました。


友人が運転をして、私が助手席に乗っているときに、彼女が急にそわそわしだし、なんとなくセカセカと運転をするようになることがあります。


そして、バックミラーをしきりに気にしています。


何事かと思って後ろを見てみると、私たちの車にぴったり中型トラックがくっついており、そのドライバーの表情がいらついているのがはっきりわかる。


みなさんにも、たぶん一度や二度は同じような経験がおありでしょう。


いわゆる"あおられる"というやつ。


私たちの場合は、いつまでもその種の手合いにかかわっているとロクなことがないので、不本意ながらムリに左に寄って道を譲ることにしています。


それにしても彼らは、どうしてあんなに近くを走っている車に"どけどけ"といったような敵意を持つのでしょうか。


人は誰でも個人としての縄張りのようなものを持っており、その範囲には個人差があります。


また、座っているとき、立っているときなどの状態、それに地位や役割、人間関係の度合によっても、広さは変化する。


そのだいたいの傾向としては、次のような関係が成り立つようです。


すなわち、「大人は子供よりも広い」「男性は女性よりも広い」「内気な性格の人は陽気な性格の人より広い」「嫌な相手といるときは親しい相手といるときより広い」これは、いいかえれば、それぞれの人間が、大きくなったり小さくなったりする目に見えない泡のような縄張りを持っていることを示すのでしょう。

たまにこういった子供もいます。


ひどいときには一週間もなくて、顔色も真っ青になり、保健室で寝たり、ときには下剤を使ったりもしていました。


B君の好きな食事をみると、カレーライス、ハソパーグ、ラーメン、スパゲッティ、にぎり寿司、焼き肉、グラタンなど食物繊維が含まれていないものばかりですから、これでは便秘がちになるのも無理がありません。


豊かな食生活をしているはずですが、食べる食品が加工されすぎていて、口あたりのよいものに変わってきているために、食物繊維が昔にくらべて大幅に減っていることから、便秘がふえるわけです。

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